言葉にできない感情は、色で表現していい
言葉では言い表せないほどの強い感情(怒り、不安、焦燥感)に、心が圧倒された経験はありませんか?その激しい感情を「出してはいけない」と、奥深くに抑え込むことに疲れていませんか?
画家フィンセント・ファン・ゴッホは、まさにその激しい内面、人生の苦悩や情熱を、鮮烈な色彩と力強い筆致で表現し続けた稀有な存在です。彼の作品は、感情を抑え込むのではなく、安全に「外に出す」ことの力強さを私たちに教えてくれます。
この記事では、メンタルケアカウンセラーの視点からゴッホの作品を分析し、彼の表現から激しい感情を安全に解放し、自己肯定感を育むための色を使ったアートセラピーのヒントをお届けします。
カウンセラーが解説:ゴッホの「色」が心を解放する原理
感情を「言葉」から「色」へ変換する意味
感情を理性的な「言葉」で表現しようとすると、私たちは無意識にブレーキをかけたり、飾ったりしてしまいます。しかし、言葉で表現できない感情こそ、アートセラピーの出番です。
色や線といった直感で選ばれた表現は、感情のエネルギーを最も早く、直接的に表に出すことができます。この「変換」のプロセスこそが、心の詰まりを流す第一歩となります。
「心の風景」を描くということ
ゴッホの絵は、現実の風景を忠実に再現したものではありません。彼は、世界を彼自身の心が感じたままの色で描きました。
例えば、燃えるような黄色は彼の生命力や狂気、濃い青は孤独や静寂を表すと言われています。ゴッホのように「自分自身の心が感じたままの色を選んでいい」と気づくことで、読者も描くことに安心感を覚えるでしょう。
名画分析:ゴッホの作品から読み解く「感情の解放テクニック」
渦巻く筆致がもたらすカタルシス
ゴッホの代表作である『星月夜』などに見られる渦巻くような強い線は、彼の内側に溜め込まれたエネルギーを外に放出する役割を果たしています。
この力強い動きを真似て、あなたもクレヨンや筆を紙に押し付け、溜まった感情を線の爆発として外に出してみてください。この行為は、溜め込んだストレスを浄化するカタルシスとなり、「筆を叩きつけてもいいんだ」という心の許可につながります。
燃えるような黄色と、自己肯定感の関係
『ひまわり』などの作品で多用された燃えるような黄色は、強い情熱や希望の象徴です。
ゴッホは人生の不安や孤独の中でも、自分自身の情熱やエネルギーを「燃える色」で表現することで、自らの存在価値を肯定しようとしていた側面があります。不安な時こそ、自分の生命力を肯定する色を選ぶことが、自己肯定感を育むヒントになるのです。
強いコントラストで感情の矛盾を受け入れる
ゴッホ作品に見られる青と黄色の激しい対比は、喜びと悲しみ、静と動といった相反する感情が、私たちの中に共存している状態を表しています。
どちらか一方を否定するのではなく、強いコントラストで両方を受け入れる大切さをゴッホは教えてくれます。**「複雑な感情を抱えていてもいい」**と自分を許すことが、心の安定に繋がります。
ゴッホに学ぶ「感情解放」の色選びと描き方
ステップ1:感情を「3原色」に絞り込む
まずはシンプルに、赤・青・黄の3色だけを使い、今の感情を表現してみましょう。選択肢を絞ることで、無意識の選択が明確になり、感情と色の結びつきがよりクリアになります。
ステップ2:激しい筆致で「線を爆発」させてみる
ゴッホのように、絵の具やクレヨンを紙に押し付け、渦を巻く、線を叩きつけるなど、感情のエネルギーを紙にぶつけるワークを具体的に試しましょう。感情の勢いをそのまま手に伝えるのがポイントです。
ステップ3:仕上げに「希望の色」を重ねる
激しい感情を解放した後、最後に自分が「安心できる色」を重ねて調和させます。これは、感情を出すだけでなく、自分で心をコントロールする練習となり、アートセラピーにおける最も重要なステップの一つです。
あなたの心も、世界に一つだけの名画
ゴッホが私たちに教えてくれるのは、「激しい感情も、表現していい、出していい」ということです。色と線は、あなた自身の自己肯定感を育み、心を整える力強いツールです。
ぜひ、ゴッホのように心のままに表現する喜びを、あなたも感じてみてください。
- ゴッホの色彩を実践!まず抽象画を試したい方はこちら→ 抽象画の描き方
- アートセラピーの基礎知識に戻る→ アートセラピー完全ガイド
本記事は、筆者の資格と経験に基づいた情報提供であり、医学的な診断や治療を目的とするものではありません。心の不調が続く場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。
